2013年5月28日火曜日

さようならGPZ。

札幌に住む友人がいる。

blogを通じて知り合った。
本名は知らない。仕事の事もほとんど知らない。

それで、十分な人だった。
blogを通じて感じていた温厚で実直な人柄はそのままだった。
バイクを、バイク乗りたちを愛し、周りの風景を愛し、バイクに乗るという行為に真摯な方だ。
一度会っただけだが、十数年来の知己のようだった。

そんな彼が、愛車を乗り換えることになった。




18年。12万キロを一緒に走った、青い kawasaki GPZ1100。

バイクって乗り物は、基本的に「単機能特化型」な乗り物だと思う。
得意な分野を特化しようとする分、どこかにネガは出る。それを個性と理解して、長所のほうをより愛し続けることができるかどうか…
1台のバイクと18年。なかなかできることではない。

GPZ1100…
sportより100kg重い巨漢である。ホイールベースもおそらくドゥカより長い。
どの回転域でも力強いエンジンと、抜群の安定性をベースにしたスポーツツアラー。
周りの知人でも、あまりの重さに辟易して数年で乗り換えてしまう人もいた。
バイク自体が重いから燃費やタイヤ等にも厳しいはずだ。

街中しかご一緒できなかったが、決して大柄ではないあの人と、青いGPZがとっても馴染んでいた。
永年の相棒とはこういうものか、と、お手本を見せていただいた気がしたものだ。

18年。12万キロを共に走った相棒との別れ。
数え切れないほどの思い出。一緒に駆け回った道。共に見た景色…

次にまた新しい相方と新しい旅が始まることは分っていても、ちょっとくらい感傷的で、それでいいと思う。

お疲れさま。そしてさようなら。樹生さんの青いGPZクン。



'09.7.25 新潟にて

2 件のコメント:

  1. Hiroshi Mutoさん、こんにちは。
    心のこもった記事を、ありがとうございます。
    2009年夏のあの夜のことは、今でも覚えています。
    私も同じように感じていました。
    そんな感覚を共有できる人たちと会えるということが、
    とても幸せに感じていました。
    相棒は新しくなり、また新しい旅が始まります。
    またいつか、お会いできることを、楽しみにしています。

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    1. >樹生和人さん
      コメント、ありがとうございます。
      友人が愛車を乗り換える…よくあることではあるのですが、今回、書かずにはいられませんでした。

      遠く離れていて、度々会うという訳にもいかない、にもかかわらず、バイク乗りとしての感覚を共有できる…
      僕も、そんな仲間を持てたことをとても幸せに感じています。
      さっそく新しい相棒についての新しいblog、拝見しました^^
      樹生さんの新しい旅がどんな旅になるのか、楽しみで、また一記事書いてしまいました。

      更新、楽しみにしていますね。

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